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2015-03-06 17:49:09

“違い”を大切にする

現代の時計もアンティーク時計も同じ時計ではありますが、厳密に言うと“全く違うもの”であることを、アンティーク時計を扱うときには理解しておかなければなりません。

それというのも、アンティーク時計は、それが作られた当時のニーズを満たすものであって、現代の私たちが求めるニーズを、必ずしも満たすものではないからです。

例えば、私たちは時計に“時間の正確さ”を求めますが、アンティーク時計は、現代の時計ほど正確に時間を刻みません。それは当時、時間は大まかに分かっていれば良かったのであり、時計の時間がずれるのは当たり前だったからです。

他にも、アンティーク時計は、現代の時計ほど頑丈ではありません。当時、アンティーク時計が、一流の職人によって一つ一つ手作りで作られていたとはいえ、現代の時計ほど防水・耐衝撃技術がなかったのは仕方がないことだと思います。

このように、アンティーク時計は、私たちのニーズに合わない面も数多く抱えています。ですが一方で、その意匠の美しさ、芸術性の高さは、現代の時計と比べ物になりません。

結局、アンティーク時計を扱う人は、アンティーク時計のそのままの姿を受け入れなくてはならないのです。ビジュアル面だけではなく、繊細で、使い勝手の悪いところも受け入れたとき、アンティーク時計の本当の良さが見えてくるのではないかと思います。

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